国浪記 前半を振り返って

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絶望の日から半年。再挑戦の日まで半年。
せっかく大半の学生が経験できない1年を過ごしているので、思ったこと、感じたことを文字に起こしてみようと思う。

今年の2月にあった国家試験。自己採点をした時から何となくわかっていたけど、一抹の可能性もあって自分の合格を信じて(というかそう思い込まないとやってられなかった)1か月思いっきり楽しんだ。
発表の前日の晩、夢には自分が不合格になる夢と合格している夢の繰り返しで全く眠れなかった。

当日の14時。僕は出先の駅で自分の不合格を知った。
国家試験の不合格というのはオンラインで発表され、一つのページに所狭しと並んでいる受験番号の中から自分のものを見つけ出す。毎年90%の受験者が合格するので、自分の番号を読み飛ばしたのではないかとも思ったが、何度読み返しても同じだった。

希望していた新しい就職先での新生活は夢に散り、自分が思い描いていた研修1年目の予定はすべて白紙となった。人生で初めて頭が真っ白になった。
人間だれしも大体1か月か2か月先には変更こそあれ、何らかの予定が入っていると思う。それがすべて真っ白になり、見通しすら立たない状態になるなんて、想像もつかないと思う。
イメージとしては、映画「ターミナル」で主人公のナボルスキーがニューヨークの空港で母国クラコージアのクーデターを知り、アメリカへの入国も母国への帰国もできなくなった時の感じ、というと伝わるだろうか。

出先から戻ると、携帯にいくつか着信履歴があり、うち一つは大学6年間、ずっと一緒にいた友人からだった。
2時間ほどだったろうか、とにかくいろいろ話をした。あまりにも混乱しすぎていて何を話したのかあんまり覚えていないが、とにかくこの時期の挫折や失敗なんで何とでもなる、同じ医師を目指すものとして、ギリギリの点数で医者になって大きい顔されるのは正直いやだったので少しほっとしている、という言葉だけは今でも胸に刺さっている。
周りの人がみんな働きに出て、自分ひとり、予定もなしという、一瞬で自分に丸投げされた「1年」という時間をどう処理していいのかわからなかったので、この2時間は、ほとんど何も覚えていないが、リングの中でダウンして自分の力で立てなくなった僕をとりあえず立たせてくれた2時間だったと思う。

自分がお世話になった先生方に自分の結果を報告する中で、ある先生からとてもいい言葉をもらった。
『成功ばかりしていると人間調子に乗るが、失敗すると自分を客観的に見れるので、失敗のない人生なんかより、失敗後の立ち振る舞いがその人の人生を左右する。だから失敗した日は再出発記念日としてがんばろう。楽しいではないか。』

迎えた卒業式の日。自分と同じ境遇にある人は数人欠席していた。
驚いたのは、人によって自分に対する接し方が違う事。そのパターンは3通りあった。
まずはいつも通り接してくれる人。だいたいずっと一緒に過ごしていた人、年長者や先生方がこれに当てはまった。
次に、お前全然いつも通りですごいな、というタイプ。あまり接点はなかった人に多かったと思う。直接言われたわけではないので接点があれば仲は良かったみたいなタイプに多かった気がする。
そして最後は学生時代と態度が180度とまではいわないが大きく変わるタイプ。大きな失敗挫折があるとこのタイプが出るとは友人から伝え聞いていたので覚悟はしていたが予想以上の人数だった。

挫折をすると自分の広い付き合いの中に、本当に大事にすべき繋がりが見えてくる。

4月からは心機一転、打倒厚生労働省を目標に今日まで勉強してきた。その合間を縫って、今まで出会ってきた沢山の人に会いに行った。
そこで自分が失敗したことを言ってみると、みなそれが実は近道になるんだよと口をそろえて言う。字面だけ見るとさっぱりわからないが、これも要はさっきの失敗に対する態度が人生を左右するという言葉に収束するのだろう。

話を進めていくうち、面白いな、すごいなと感じさせるような魅力的な知人たちは実は沢山の失敗をしてきていたことがわかった。そして今もずっとそれを繰り返していることも分かった。

今回、今までの人生でおそらく最初で最大の挫折にぶちあたったと思う。
一人で過ごす時間が多かったことで様々な面から自分と向かい合うことができた。
ようやく魅力あふれる偉大な人たちを追いかける道の入り口に立ったのかなと思う。
トビタテ生的にいうなれば、ようやくトビタった感じ。

今回の挫折でようやく僕のプライドも完膚なきまでに叩き潰されたので、もう恐れるものはなくなりました。完璧という言葉が似合わない人生らしいので、いろんな失敗をして、いろんな吸収をして進んでいきます。

再出発1周年をどんな自分で迎えられるか、楽しみです。

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