医療のイメージカラーって何でしょうか。
やっぱり白衣の白を思い浮かべる人が多いでしょうか。
明るい緑や青など落ち着いて且つ明るい色を思い浮かべる人もいるかもしれません。
医療に黒を足すと何をイメージしますか?
僕は素直にブラックジャックが浮かびました。
日本の医療の世界はスキャンダルこそあれど、割とオープンです。ヤブ医者なんて聞きませんし、先生方はみんな情熱とプライドをもって仕事をしているし、医療費もすべて法律で規定されている分を患者さんからもらっています。
どんな治療や検査も患者の同意のもと行われ、結果も共有されます。
ハンガリーで見た医療はすこし違っていました。
医者がやっていることは日本と変わらないのですが、そこには黒いお金の流れがありました。
といってもこんな法外な値段ではないのですが。
患者が医師にお礼としてお菓子を持ってくるシーンは日本でもよく見かけます。ただ、現金の受け渡しは見たことがありません。
ハンガリーでは医師への賄賂紛いの現金の受け渡しがいくつか見られました。僕らは一応そういったものは受け取らないよう教え込まれているのですが。
一番すごかったのは救急車で運ばれてきた患者の家族が救急隊員にお金を渡したシーン。お婆さんが財布からお札を出すと救急隊員のポケットにねじ込んだのです。日本なら目を見てお礼を言うと思うんですが、救急隊員たちはさも当然かのように目もくれず立ち去りました。看護師さんなど断る人もいましたが、外科ではそういったお金は受ける治療の質や速さ(手術の待機順など)に関わるとか。
昔社会主義で全員が平等だった世界。それは見かけだけで、金がものをいう世界だったようです。
ただ、一つ残念なのは日本にもそういう世界があるということ。
卒業が近いようで、僕は医療の世界をまだまだ知らないようです。